娘へのほの甘い嘘


とうとうこんな日が来たんだ。
娘が突然聞いてきた。「サンタさんってお父ちゃんなんでしょ?」


少し驚いた。でもこんな日はいつかやってくるのだ。
もう四年生だし、確か僕も同じころ姉から衝撃の告白を聞いた歳だ。娘に訊ねた。
「どうして?」
「サンタさんはいるって言ったら〇〇君に笑われた。サンタはお父さんだって!」

僕は唸って見せた。
「お父ちゃんはサンタさんを見たことがない。でも高校生の頃の先生がフィンランドのサンタの学校に見学に行った写真を見せてくれて、その中に写っているサンタさんを見たことがある。そしてこんな話も聞いたことがあるよ。サンタさんは信じてくれる子のところにしか来ないって」

娘はあきらかに動揺した。僕はさらに追い打ちをかける。
「もしかして、サンタさんを信じてない?」
「信じてないわけじゃないけど、笑われたから。。。」
「もしかしたらその子はサンタさんを信じられなくなったから、サンタさんもう行くなっちゃったんじゃないのかな。それじゃかわいそうってことで、お父さんがサンタさんの代わりになってくれてるとか?」

娘の眼に光が戻った。キラキラした目が「そうなんだ!」と弾んでいる。

でも僕の心には少しだけ苦いものがある。
これで良かったのか?
いつかは分かってしまうことなんじゃないか?

それでもこうも思う。
いくつになっても信じ続けていて欲しい。
いつまでもそのキラキラした目で12月の星空を眺めていて欲しい。

残念なことに我が家はキリスト教ではない。
でも父ちゃんはこうも願っている。
君をとっびっきりの笑顔にしてくれるのならどんな聖者も信じたっていい。

こないだ娘が我が家の窓に張り付けたサンタさんの手紙だ。

サンタさんへのお礼を忘れていない。良し!
今年は安くても良いので、と遠慮は見える。良し!
だかしかし、パソコンときたもんだ。
安くてもいいので、ときたもんだ。

トイザらスは卒業したんだね。
パソコンかぁ。。。。
今年がサンタさん最後かなぁ。

そんな愛しさと、せつなさの中。
心強さはないお父ちゃんはアマゾンセールの中、ポチらせていただきました。

娘よ。
お父ちゃんは聖者ではない。
でもお父ちゃんはその純粋な心に聖者よりも優しく寄り添っていきたいと強く願っている。
来年のクリスマスも君のもとに、サンタさんが来てくれますように。

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